「みんなの前で話すことが苦手」
「私には出来ないと、挑戦することを嫌がる」など、子どもの消極的な態度をみていると、親としても、なぜなのだろうかと心配になりますよね。
今回は、自己肯定感が低く自信がない子どもの特徴と、お子さんの為にできることをまとめてみました。
お子さんがなぜ自己肯定感が低いのか、その原因を考えてみて、お子さんにどんな風に声掛けしたり、接すればいいのかをお伝えしますね。
自己肯定感と自信の関係
まずはじめに、自己肯定感とは何かから考えてみましょう。自己肯定感とは、自分に対する満足度というと分かりやすいでしょうか。
お子さんが自分に満足をしていて、自分のことを大好きに思えたり、自分を誇りを思うなど、まわりからの評価は関係なく、気持ちが満たされていることが満足度となります。
満足度が高いほど、自信がもてて、低いと自信ももちにくくります。
たとえば、「お母さんや先生に褒められたことで得た満足感」ではなく、誰かにどう評価されようと「お子さんが自分自身に満足がある」本人がどう感じているかが大切です。
自己肯定感の低い子どもの特徴
自己肯定感が低い子どもによく見られる行動の特徴や、共通する背景について紹介します。
あなたのお子さんに当てはまるところがないか、チェックしてみてください。
もし、あてはまるところがあるようでしたら、お子さんの自信のなさは、自己肯定感の低さが原因となっている可能性があります。
1. 人と比べる癖がある
自己肯定感が低い子どもは、誰かに認めてもらいたい気持ちが強く、自分が思っている以上にがんばり、気が張っているお子さんもいます。
人と比べてしまう思考も働きやすく、自分はまわりにどうみられているか心配や不安があります。
たとえば、「〇〇くんは、先生に褒められていたけれど、僕は声すらかけてもらえなかった」「私はどんなにピアノの練習をしても、〇〇ちゃんよりは上手になれないと泣く」など、常に誰かと比べた言動が多く、自分が優れていないように感じ、悲しくなります。
常に、お友達などまわりの人が優れているようにみえて、自分はどんなにがんばっても「ダメだ」と自己否定が強く、精神的に不安定になってしまうこともあるでしょう。
2. 自分に対する評価が厳しい
自己肯定感の低い子どもは、自分に対する評価や成果に完璧さを求めがちです。他の人からみたら、充分な成果であっても、完璧さを求めるあまり、本人は納得していないことも多いです。
たとえば、100点満点中、95点であった自分を「力不足」と思う。精一杯練習しても、1位を取れない自分を「ダメ」だと追い込む。
常に、「不足」「ダメである」という評価が、自分を否定し、肯定感を下げてしまいます。
3.欠点ばかりに目が向く
自己肯定感の低い子どもの理由として、自分の「長所」ではなく「短所」に目が向くことが多く、「欠点」として評価します。
たとえば、私はみんなより走るのが遅い。僕は絵を描くことが下手だ。など、苦手なことに悩み、落ち込みます。
自分の「得意」ではなく、「苦手」であることに常に悩んでいます。
4. 親の精神面の影響
親の精神的ストレスが、子どもの自己肯定感に影響することもあります。
親のストレスが、直接子どもの自己肯定感の低さに影響していると特定することは難しいのですが、親、特に母親は、子どもにとって1番信頼できる相手であるため、精神的背景は影響しやすいと思われます。
たとえば、「仕事でストレスを抱えている」「夫婦喧嘩をしトラブルがあった」など、親が精神的に不安定であり、親自身に「自己否定」があることが、子どもに「反映」されることも考えられるでしょう。
特に、3歳くらいまでは、母親と自分は同じ存在だと思っています。
たとえば、お母さんが自分を〇〇だと評価すると、お子さんも同じように自分を〇〇だと評価するといわれています。
親が子どものために出来ることとは?
自己肯定感の低いお子さんの特徴を挙げてきましたが、どのような印象を持たれたでしょうか。
どうして自己肯定感が低くなってしまったのか、何が悪かったのか、声かけだろうか、接し方だろうか、と思い悩む方もいるかもしれません。
しかし、大切なことは、「今目の前にいるお子さんに対して何ができるか」ということです。
そこで、今すぐ取り組める4つのことを紹介します。
1.子どもを 承認する
人と比べてしまうお子さんに対して、思わず「〇〇ちゃんと比べなくてもいいんだよ」と声かけしてしまうこともあるかもしれません。
お子さんを安心させたい、という気持ちからの言葉かけであったとしても、お子さんの「〇〇ちゃんと比べる」という行動を否定することになってしまいます。
行動を否定されると、お子さんは存在そのものを否定されたように感じることもあります。
大切なことは、まずは「そのままを受け入れる」ことです。
たとえば、「〇〇ちゃんの様にできなくて嫌だ」という子供に対し、「そうなんだね」「そう感じるのね」という言葉がけをしてみて下さい。
お子さんが感じたことをそのまま受け止めます。
そのままを受け止めてもらうことができたお子さんは、自分を認めてもらい、自信を持つことができるようになります。安心して自分のことを話すことができるようにもなるでしょう。
そのままを受け止めることは、親子の信頼関係をつくることができます。
2.過程を楽しむ言葉がけをする
自分に対して評価が厳しいお子さんが大切にしていることは「結果」です。
結果はもちろん大切ですが、過程の中で人は成長し、学ぶことが出来ることにも目が向けられるよう言葉がけをしていきましょう。
たとえば、漢字の書きた方やサッカーなどスポーツでもよいのですが、最初の取り組みより、練習を重ねることで必ず上達していることはあると思います。「少しずつだけど、前より書けるようになったね」「ボール蹴るの上手になったね」と、日々練習でがんばっていること、成長していることに気づくことができる声かけをしていきます。
目指したい達成までの過程を親子で楽しみましょう。
3.得意を伸ばす
苦手に目が向いてしまうことも、人と比べてしまうことと同様にお子さんの癖であったり、個性です。
まずは苦手に目が向いてしまうことを否定せずに、そのままを受け止めてあげましょう。
その後、お子さんの得意なことは何であるか、一緒に考えたり、話す機会を作ってみて下さい。
たとえば、「算数は苦手かもしれないけれど、絵はとっても上手だと思うよ」と伝えてあげてください。
お母さんからみて「〇〇が出来るってすごいことだと思うよ!」など、お子さんが当たり前と思っていることや気づいていない得意を伝えてあげることも効果的です。
「そんなことはない」とお子さんが否定しても、言葉がけを信頼して続けることが大切です。
4.あなた自身の心のケア
あなた自身の仕事や家族関係などの精神的ストレスはもちろん、お子さんに対しての心配や不安そのものが、子どものストレスになっていることもあります。
お子さんを想う気持ちは大切ですし、愛ではありますが、心配や不安はお子さんの精神的負担に繋がっていることを知ることも大事です。
どんなことを心配しているのかを書き出してみたり、不安をため込むのではなく、誰かに聞いてもらう環境を整えてみましょう。
親の心のゆとりが、お子さんのゆとりに繋がっていきます。あなた自身がリラックスしている気持ちも大切にしてみて下さい。
最後に
親子の信頼した絆は、お子さんの自信にも繋がります。お子さんが安心してなんでも話すことができる環境づくりを心がけであげてみて下さい。