どれが本当の自分かわからない人へ、哲学から考える本当の自分を知る方法

「どれが本当の自分かわからない」

「自分の本音がわからない」

そんな本当の自分がわからなくなってしまった人のために、その原因と自分の本音を知る方法を、哲学の観点からお伝えします。

目次

本当の自分がわからなくなってしまう原因

あなたが本当の自分がわからなくなっている原因は2つ考えられます。

  • 答えを外側に求めている
  • 今の自分を「本当の自分」ではないと解釈している

答えを外側に求めている

本当の自分や本音がわからなくなる原因のひとつに、「どれが本当の自分だろう」と、答えを外側に求めていることがあります。

答えを求めるから、わからなくなってしまうのです。

哲学では、答えのない事を問い続けることに、意義や価値があると考えられています。そのため、「本当の自分は何なんだろう」と問い続けることにこそ、意味があるのです

今の自分を「本当の自分ではない」と解釈している

あなたが、「どれが本当の自分かわからない」、「自分の本音がわからない」と思ってしまうのは、人に合わせている自分を「本当の自分ではない」と解釈していることに始まっているのではないでしょうか。

なぜ、「人に合わせる自分」は「本当の自分ではない」のでしょう。

なぜ、人に気をつかって行動したことは、「自分の本音ではない」のでしょう。

「自分らしく生きること」、「自分の本音を表現すること」が良いという考え方を多く目にします。そのため、「本当の自分」や「本音」に、多くの人はフォーカスしがちです。

しかし、「本当の自分」や「本音」にフォーカスした途端に、「本当の自分がわからない」の沼にハマってしまうのです。

「本当の自分がわからない」から抜け出す方法

どうしたら「本当の自分がわからない」という思いから、抜け出すことができるのでしょう。

そのヒントを2つ紹介します。

  • 人に合わせている自分も、本当の自分だと知る
  • 人に合わせないという選択肢を取る

人に合わせている自分も、本当の自分だと知る

人に合わせている自分を、ちょっと客観的に見てみてください。

なぜ、あなたは、人に合わせてしまうのでしょうか?

なぜ、「嫌だな」と感じることでも、相手の望むように行動するのでしょうか?

実は、人に合わせることも、相手の望むように行動することも、あなた自身に何らかのメリットがあるから、そうしている場合がほとんどです。

「そんな風に言われても、ピンとこない」と思う人もいるかもしれませんが、それは無意識で行われているため、自覚はなかなか難しいかもしれません。

しかし、「本当の自分がわからない」から抜け出したいのであれば、いったん「自分で望んでその選択をしているのかもしれない」と受けいれてみてください。

あなた自身に何らかのメリットがあって、人に合わせていると仮定すると、人に合わせることも、相手に気をつかって行動することも、あなたの「本音」と言えば本音ですし、「本当の自分」と言えば本当の自分と言えるのです。

人に合わせないという選択肢を取る

人に合わせる自分を「本当の自分」と受け入れられない、「人に合わせてしまうことが苦しい」と感じるのであれば、あなたの中で「人に合わせたくない」という何かが働いていると考えられます。

そこで、勇気をもって試してみて欲しいのが、いつもなら人に合わせてしまう場面で「人に合わせない」という選択肢を取ってみることです。

そして、自分にどんな感情が湧くか、観察してみてください。

「人に合わせない」をやってみても、苦しかったり、何か違うと感じることもあるでしょう。

その場合は、人に合わせる自分も、人に合わせない自分も、「どちらも本当の自分なんだ」と受け入れてみてください。

自分の本音が分からなくなったときの対処法

何かを決めなければならないとき、自分の本音がわからなくて判断が難しいときがあるかもしれません。

そんな場合は、「何が本音だろう?」、「わたしは、どうしたいんだろう?」と思った時に、頭であれこれ考えずに、ふっと思い浮かんだことを、いったん「本音」として採用してみてください。

人は、自分の中にないことを思いつくことはありません。思い浮かんだことは、必ずあなたの中にあることだからです。

「本当の自分」で生きるために、できること

サルトル哲学では、「本当の自分はない」ため、「本当の自分で生きたい」と思うなら、自分自身で「本当の自分」を創作します。

人間は、「実存が本質に先立つ」存在であると考えられているからです。

たとえば、万年筆は本質が実存に先立っていると言えます。

万年筆は「書く」ことが目的に作られたモノであり、書く=本質が、存在することに先立っています。マグカップは「飲む」目的があるから存在し、椅子が「座る」目的があるから存在します。逆に言うと、こうしたモノは、目的がなければ存在しないとも言えるでしょう。

しかし、人間は、まず先に存在があります。本質が先に決められて、存在しているのではなく、存在が先にあって、その存在から本質が生まれるのです。

これが、「実存が本質に先立つ」ということです。

だから、あなたがどう生きるか、何のために生きるかは、あなた自身が創っていいものなのです。

本当の自分を創る方法

本当の自分などないのですから、「本当の自分」はあなたが自由に創作すればいいのです。

自由に創作すると言っても、どう創作すればいいかわからない人のために、問いを紹介します。

「あなたは、どんな自分で生きたいですか?」

自分に問いかけて、浮かんできた答えを、まずは採用してみて、その自分として生きてみてください。

もし、質問が壮大すぎて答えが浮かばなかった場合は、もう少し小さな範囲で問いかけてみてください。

「あなたは、今日一日をどんな自分で過ごしたいですか?」

ご機嫌な自分、のんびりな自分、小さな幸せを感じる自分など、自由に創作し、創作した自分で一日を過ごしてみます。

その自分で一日過ごしてみたら、どんなことが起きたか、何を感じたかなどを観察します。

この創作と観察こそが、「これが自分なんだ」と感じられる、あなたの思う「本当の自分」と出会う道を作ってくれるでしょう。

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